鈴木巌先生 初訪米公演カウントダウン

Un mensaje del gran maestro


アメリカ独立記念日の休みも終わり、ワールドカップも日本、アルゼンチン、USA、ポルトガル、そしてウルグアイにメキシコ、ホンジュラスといった私に関わりの深い国々はすべて敗退でいよいよファイナル(ガッカリ...こうなったらあとはスペインにがんばってもらおう。)
いよいよ一ヶ月を切った、鈴木巌先生の初訪米の準備にとりかかろうとしている矢先、先生から嬉しいお便りをいただきました。


写真は2008年4月、広島の世界平和記念聖堂で行われた「アタウアルパ・ユパンキ生誕100年記念コンサート」に、鈴木先生とご一緒に招聘を受けた際のもの。
8月4日のアルゼンチン総領事館公演の際には、この写真がプログラムにデザインされます。

(写真はクリックすると、すべて大きなサイズでご覧いただけます‐。)


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大竹史朗大兄:
  

  長い間連絡しなくて申し訳ない。8月2日の航空券決まりました。但し8月9日の帰りは一時間遅れのスケジュールになりました。...(途中省略)
7月4日銀座山野楽器店に於ける公開講座は盛会のうち無事終了。
現在史朗君とのDuo練習しています。Soloは大体出来上ってます。
今回のコンサートは私のではなく史朗君の名誉の為にしっかり弾きます。
又何かあったら連絡します。会えるのが楽しみです。...(以下省略)
                   
                       2010年7月7日
                                鈴木 巌
                   
                     


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このようなメッセージを、自身の生徒に対して送ることのできる演奏家が、いったいこの世に何人存在するでしょう?


バージミュージック公演の行われる8月6日は、鈴木先生が世界の音楽史上、日本人音楽家としてはじめて国際コンクールで第一位金賞を受賞なさった栄誉の記念日(1957年モスクワ国際ギターコンクール)です。
にもかかわらず先生は、私がニューヨークから国際電話で(コンサート日の決定を)ご連絡するとすぐに、「ああそれは史朗くんにとってとても大切な日だね。」とおっしゃいました。
おそらく先生は、8月6日という日をご自身の記念日としてふだんもお忘れになることはないと思うのですけれど、そういったご自分の素晴らしい快挙のことは一言もおっしゃらず、そのかわりに私の作曲した"ヒロシマ~忘れえぬ町"のことを真っ先に口にされたのです。


もしつい最近読んだ、現代ギター誌のバックナンバーからその史実を知ることがなければ、まちがいなく私は、この日を先生にとっての大切な記念日と知らないままコンサートを終えるという一世一代の不覚を演じるところでした。


鈴木巌先生とはそういう方です。
正真正銘の音楽性に裏打ちされた真の芸術家にしてみれば、もしかしたらご自分の手柄などどうでもよいことなのかもしれません。

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少年時、私は毎週NHK教育テレビのギター講座をかかさず見ていました。
当時、鈴木先生以外にも、多くの優れた演奏家が、たしか半年おきくらいにこのプログラムの講師を担当していたと記憶していますが、子どもだった私がなぜ鈴木先生をいちばん素晴らしいと感じ、どうしてもこの演奏家にギターを習いたいと強く思ったのかは、先生の、当時から変らない音楽に対する崇高な精神から生まれる深く美しい音色を純粋にキャッチしたからにちがいありません。
また付け加えるなら、ただ人が作った音楽を演奏する他のプレイヤーと違い、ご自分で作曲したオリジナルナンバーを自演するということが、のちの私の音楽創作に多大なる影響を与えたことは言うまでもないでしょう。

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私にとって、もっともニューヨークで信頼できる私の代理人ドロシーさんが、現在せっせとパブリケーションを行ってくれています。
鈴木先生をニューヨークにぜひ呼びたいと以前から強く言っていたのが、このリンカーンセンターのアートディヴィジョンに長く在籍し、かの"モーストリー・モーツアルト"をクリエイトしたひとりである音楽エキスパートの女性でした。
私の方も、これから日系メディアとのインタビューを行い、ひとりでも多くの在米邦人の方々に、この素晴らしい演奏家の音楽を聴いていただきたいと思っています。


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鈴木先生との共演は、広島世界平和記念聖堂公演から数えて、ちょうど二年と四ヶ月ぶりになります。

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ニューヨークには、日本のように手軽に、個人やグループが貸し切りイヴェントを行えるような気のきいたヴェニューがまったくありません。
きちんとした団体による企画主催がなければ、到底コンサートなど行うことはできないのです。

今回、私の恩師を歓迎、師弟によるジョイントパフォーマンスを金曜日の夜にブッキングしてくださったバージミュージックのマーク・ぺスカノフ芸術監督、また今回、ニューヨーク・アルゼンチン共和国総領事館オーデトリアムにおいて、過去異例となる日本人アーティストふたりによるコンサートを計画してくださった同公館のアドリアーナ・トロッタ公使に、この場をかりて心からの感謝の意を表します。

2010年06月08日 | Knight's NY diaries(ニューヨーク日記)